ガエルネ ビブラム クラン ケッテンマックス モーションプロ カフェ・ジャペックス


 ミラノショーと並ぶヨーロッパ2大モーターサイクルショー、インターモトがドイツはミュンヘン国際見本市会場で2004年9月15〜19日の日程で開催された。ミラノショーと1年毎、交互に開催されるモーターショーはヨーロッパだけでなく世界中に浸透した毎年9月の風物詩になっている。
 さて、今回のインターモトは、KEHOEの個人的感想だが、一言で言って「不作の年」と言ってもいいかもしれない。かなり辛口コメントを言ってると思うが、これが正直な感想だ。その理由として日程が悪かった。毎年ショーというと各メーカーがニューモデルを発表し、その舞台には世界選手権を走るトップライダーが花を添えるのが恒例となっていたのだが、19日には日本はツインリンクもてぎで行なわれたロードレース世界選手権(Moto-GP)が開催されたため、ライダーは皆、日本に行ってしまったこともあるだろう。そして何よりニューモデルの発表が少なかったこともある。これは昨年のミラノショーではニューモデル発表の嵐と言ってもいいほどだっただけに、とにかく目新しいモデルが少なかった。

 そんな中、地元ドイツのBMWがニューモデル「K1200S」とネイキッドモデル「K1200R」発表した。今までのBMWと言えば水平対抗エンジン「ボクサーエンジン」を搭載したスポーツツアラーのイメージが強く、ヨーロッパをはじめ、大陸横断を楽にこなすイメージが強かった。そして今回登場のK1200S&Rの登場には様々な憶測が飛び交っている。
その憶測とは最高速の自主規制問題、メーターから300km/h消えた一件である。この時日本の4メーカーをはじめ各メーカーが299km/hまでの表示を提案したところ、BMWは最高速を250km/hまで落とそうと言っていたとらしい。その理由として当時のBMWのマシンで300km/hオーバーするモデルは無かったという事実ではある。この一件で他メーカーやバイクファンに「BMWのバイクは300km/hオーバーするものが ないからって250km/hを上限にするなんて」と皮肉を言われたりもした。しかし今回のKシリーズはこれらの言葉を払拭するためにもワンランク上のスピードレンジに対応するモデルを製作しようと開発されたとも言われており、実際それに値するものであると言える。新設計のエンジンは1200cc直列四気筒、最高出力167 ps(123 kW)、車両重量は248 kg(燃料含む)と今までのイメージを一新する仕上がりになっている。中でもBMWオリジナルのレバー式フロントサスペンション+リアのシャフトドライブ式片持ちスイングアームは健在、ABS(アンチ・ロック・ブレーキ)を搭載しスタイルと性能を両立しスッキリとまとめられている。このモデルは乗ってみたいモデルのひとつですね。

 さて、BMW以外には何があったかというととにかく目に付いたのがモタードマシン、そうKEHOEが得意とする「スーパーモタード」である。数少ないニューモデルの中で各メーカー、ラインナップの中にモタードモデル登場している状況があり、中でもホンダが発表した「FMX」、そしてスズキの「DR−Z400SM」には注目が集まっていた。
 さて、スーパーモタードとは何ぞや?と思う方もいると思うのでここで簡単に説明しよう。元々はロードレース・モトクロス等「ライダーナンバー1は誰だ!」を決める為に行われるようになったのが事の始まり。初めはお祭り的な要素が大きかったが、以来そのものが独立し1つのカテゴリーになった。ターマック(オンロード)とオフロード(ダート)がミックスしたこの競技はただいまヨーロッパを中心に大ブレイク中!フランス、イタリア、ドイツ等、各国の選手権、ヨーロッパ選手権が行われていた。そして2002年からはついにスーパーモトの名称で世界選手権がスタートし、ヨーロッパだけでなく海を越え、オーストラリアでも開催された。2004年シーズンからS1(オープン)クラスだけでなく、S2(450cc)クラスも開催されるようになり、より一層熱い戦いが繰り広げられている。ハスクバーナ、KTMといったヨーロッパメーカーが挙ってマシンを製作しているだけに国内メーカーがモタードモデルをラインアップするということはこのカテゴリーがヒートアップすると見ていいだろう。

 前置きが長くなったが、まずはFMXから紹介しよう。エンジンは空冷4ストロークSOHC644ccシングルエンジン、5速ミッション、スタートはセルのみとなっている。そして車体はCRFをイメージした外装とフロントフェンダーはライトカウルと一体式風オーバーフェンダー+ダウンフェンダーのダブルフェンダーを採用し45mm倒立式フロントサスペンションを装備している。消音効果とトルクアップを目的にした2本出しのサイレンサーはなかなかの重厚感があり迫力も十分ある。ステップ周りはホーネット600の物を流用?なのかラバーステップを採用したストリートモデルと言っていいだろう。KEHOE的にはもっとレーシーに振って欲しかったのだが、ホンダがスーパーモタードにラインナップしてきたことは大歓迎である。

 続いてはDR-Z400SMである。スペックは2003年の東京モーターショーで発表されたものとほぼ同じと考えていいだろ。しかしこれは参考出品ではなくニューラインナップとしての発表なのだ。エンジンや車体のスペックはDR-Zとほとんど変わらないが、変更点として倒立式フロントサスペンションにショートタイプのフロントフェンダーを採用しているところだ。600cc前後が主力のビックシングルオフロードマシンの中で400ccを採用し、取りまわしの軽さを武器にしてなかなかの人気を博している。そしてネーミングにSMと入っているあたりでもスズキがスーパーモタードを意識していることがうかがえる。昨年発表になったヤマハの「XT660Xスーパーモタード」も含め、国内メーカーがモタードマシンをラインナップしてきたことはとても喜ばしいことである。更に欲を言うとやっぱりレーサーを出して欲しい、出してくれませんかねぇ、ホント。

 さて、スーパーモタードを語る上で絶対に外せない2大メーカー、そうハスクバーナとKTMである。(もちろん世界選手権にはフサベル、アプリリア、TM、ヴェルテマティ等と沢山存在するヨーロッパメーカーの中でもラインナップだけでなく販売台数やファクトリー活動等を加味した上での表現だ)
 KTMは950アドベンチャーに搭載しているV2エンジン「LC−8」を搭載したデューク2と同車ネイキッドスタイルも参考出品され、ロード色を強めていると言ってもいいだろう。更にこのV2エンジンを搭載した950スーパーモタードもあったが、これはレーサーと言うよりデュアルパーパスに近いモデルと言って良いのではないだろうか。噂にあったSXベースの620ファクトリーレプリカやLC-4ベースのファクトリーレプリカが登場してないだけにモタードファンにはやや寂しい結果となった。

 対してハスクバーナは2003年、創業100周年の記念の年にエディー・シールがスーパーモト世界選手権でチャンピオンを獲得し、そのチャンピオンマシンのレプリカを世界限定100台発売したりとサーキットテクノロジーがダイレクトにフィールドバックされている。そしてここ数年力を入れてる水冷4ストロークDOHCエンジン搭載のSM450R・510Rといったニューラインナップも目が離せない。黄色と青のハスキーカラー、ブラックベースにブルーのロゴのNoxカラー、そして100周年記念で発表されたTE510で使われた赤・白カラーの3タイプが登場した。そして何より目を引いたのがフルモデルチェンジを受けたSM610Rだ。前出の2台と比べると公道走行をメインに考えたモデルなのだが、それでもそこそこのポテンシャルを持っている。エンジンの基本設計は変わらない物の細部に亘って見直しがされ10馬力ほどパワーアップされ、何よりスタイリッシュなデザインは惚れ惚れするほど美しい。それは同クループのMVアグスターにも 通じるものがある。そして16日(一般公開初日)にはファクトリーライダーのエディー・シール、ジェラルド・デルピン、デビット・ゴッチーニがブースでサイン会を開いたりとファンサービスに余念がない。他がほとんどやってなかっただけに、この3人の登場にお客さんも大喜びであった。これこそモーターショーの醍醐味でしょう。そして最初にも言ったが「不作の年」の中でBMWとハスクバーナの力の入れようは素晴らしかった。(もう一度言います、あくまでこの表現はKEHOE個人的な感想です)

 ファクトリーライダーの登場といえばアプリリアも(モタードのみ)そうである。アプリリアの場合は15日(プレスデー)での登場だったが、マッシモ・マンゾー、ジェローム・ジラウド、フレデリック・ボレーが登場しこの時も黒山の人だかりが出来ていた。
アプリリアと言えばS2クラスで今期4戦中2勝をあげているV2エンジンを搭載したSVX450は注目を浴びていた。レーサーレプリカやGPマシンの前を通り過ぎていく人達が、モタードマシンの前で足を止め眺めていく光景が多く目撃された。
 これらの要因のひとつにヨーロッパ各国で見られるコントロール、いわゆる速度超過取締り(通称:ネズミ捕り)が強化されたことが要因ではないだろうか。フランスではオービスカメラの設置件数が2003年1年間に200ヶ所以上とも言われ、殆どのカメラが後ろからの撮影のため、バイクも車も関係なく取り締まられている。ドイツはアウトバーンのイメージが強く速度制限無しと思われがちだが、制限区間が存在する。実際に走っていると無制限区間からいきなり130km/hや110km/hと表示が現れる。その直後にコントロールがあったりするので日本の感覚でアクセルを戻して徐々にペースを落としていくとかなりの確率で引っ掛かってしまう。そんな状況のためかABS大活躍!?する環境になっているため「レーサーレプリカの売り上げが急激に落ちて困っちゃいますよ」と某メーカー関係者もボヤクほど急激なレプリカ離れが進んでいる。そしてレプリカに乗っていた人達が次なるターゲットにモタードを選んだのか・・・
現状としてホンダ・バラデロ1000やスズキのVストロームといったデュアルパーパスモデルが好調な売れ行きを示していることから、600cc前後のモタードマシンがミドルクラスとして注目され売り上げも伸びていくと予想できる。

 さて、インターモトはメーカーのマシンだけではなくタイヤ、パーツ、ウェアー等々、各種用品メーカーが出展している。あれもこれも紹介したい物があるのですが今回は得意分野でもあるスーパーモタード関連グッズを中心に紹介したいと思う。
まず最初に紹介するのはガエルネでしょう(笑)
 ジャペックスがメイン商品として扱ってるガエルネのブーツは、ヨーロッパだけでなく世界中で愛されるレーシングブーツの老舗であり、日本人の足に合わせた専用設計をラインナップする日本人のためのイタリア製ブーツメーカーだ。KEHOEもかれこれ15年近く愛用し、バイクに乗る時のモトクロスブーツはもちろん、モタード、モトクロスといった過酷な撮影フィールドから、街乗り、街歩き、撮影移動で飛行機に乗るときまで、いつもKEHOEの足元をガエルネのシューズが守ってくれている。本当に良い靴ですよ、お世辞抜きに。詳しいことはwww.japex.netのガエルネサイトで確認してください。

 さてさて、今回KEHOEが1番紹介したいのがこれ、レクスフェルゲンだ。レクスフェルゲンとは、イタリアはミラノ郊外にあるサンレモリム社のブランドで、ハスクバーナファクトリーをはじめ、リゴモト、ベルテマティ、VOR等々、多くのチームが愛用するモタード界では知らない人はいないリムメーカーだ。青・赤・黒・シルバー等カラーバリエーションは豊富で、フロント用の16.5インチから日本では入手困難なリア用5.00、5.50インチといったワイドリムまで取り揃えている。リムの精度も高く、ファクトリーチームからフィードバックされた製品クオリティーは最先端を行っている。そして今回の大注目はスポークメーカー、アルピナ社と共同開発されたチューブレススポークリムだ。従来のニップルの部分を半円球状にし、リムの内側をOリングとシリコン系溶剤で完全密封し、アルピナ社の極太アルミスペシャルスポークを採用し、ハブ側で締め付け調整を行なう。今までのスポークリムの常識を根底から覆す新設計のチューブレスシステムだ。様々な耐久テストはすでに終了し、あとは生産ラインの日程調整をするだけで、近日中にも市販開始される予定だと語ってくれた。これはとっても楽しみだが、まずは従来型が日本にでも買えるようになって欲しいものですね。

 そしてもうひとつはこれ、モトクロスブーツやライディングシューズ、登山靴のソールと言えばここビブラムソールでしょう。ガエルネブーツの殆どの商品にも採用されているビブラムソールからなんとアタッチメント式モタードソールが発表となった。従来モタードの場合、どうしてもターマック上で足を出し、スライドコントロールをするためソールの外側だけが磨耗し、寿命は1レースといっても過言ではないほど酷使される。一部のファクトリーライダーを除く殆どのライダーにとってブーツの消耗には頭を悩ませていたことと思う。その対応策として、サイドにチタンのプレートを付けたり、リペアキットで再生させたりという方法を取っていた人達がほとんどであろう。しかしこのモタード用ソールは、従来のモトクロスブーツのソールをモタード用に張替えする必要があるが、後は爪先側とかかと側の2ヶ所のサイド部分をドライバー1本でコンディションに合わせ脱着可能にした画期的な商品だ。コンパウンドもポリカーボネイトを使ったドライ用、ナイロン繊維で作ったウェット用、そしてラバーとナイロン繊維の混合素材で作られたレーシング用の3タイプが用意されている。消耗したら新しいパーツと交換する、それは皮ツナギのバンクセンサー同じ考え方であると言えよう。これは日本に入れて欲しい商品ですね。
リペアサービスでモタードソールに交換するサービスとか始めませんか?ねぇ、ジャペックスさん!
( japex:ジャペックスでは、vibram社との契約を終え3月よりサービスを開始いたしました。詳しくはこちらで紹介しています。)

 これ以外にもモタード用ヘルメットや皮ツナギといったモタード用品がずいぶんと目に付き、さらに2001年に引き続き週末には特設コースにてドイツ選手権に出場してる選手達がメインとなってスーパーモタードレース行われたりと、とにかく今年のインターモトはモタード抜きには語れないと言っても過言ではないほどモタード熱の高い開催でした。

 KEHOEあべ的インターモトリポート、いかがだったでしょうか?
とにかく、ヨーロッパのバイク情勢は道路整備や法改正等、この2〜3年でずいぶん変わっていくことが予想できます。そしてスーパーモタードというカテゴリーがマシンだけでなく、アフターマーケットでも大きく確立されつつあることがとても嬉しく、1日も早くその波が日本に届くように、Parisの街からこのレポートを書いています。それではみなさん、これからも楽しいバイクライフを送ってください。



<<KEHOE あべ>>
Parisとモタードをこよなく愛し、こころはいつも「おフランス」
気が付けばParisに拠点を移して4年目に突入。相変わらず毎週末、モタードを追っかけてヨーロッパの国々を放浪する。
モトクロスから始まったガエルネ使用暦は15年、人生の半分を共に過ごした良きパートナー、最近は撮影時にトラッパーや145を履くだけなので新しく出たSG-10に興味津々。新しいモタードツナギも作成中だし、新しいHasqvarnaかっこいいし、そろそろライダー復活したいなぁと企らんでいる。