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こんにちは、内山 裕太郎です。
今年もISDEギリシャ大会に出場してきました。結果は、チームジャパンは5名全員が完走し25カ国中19位、ワトリングトロフィー(ワトリングトロフィーとは大会中、一番頑張った国に与えられる賞)を授賞し、個人成績では E1クラス 59位、シルバーメダルを獲得することができ、とても有意義な大会でした。
 
※写真をクリックしますと拡大画像が見られます。(以下全ての写真も同様です)  
  ISDEとは、
 
  ここでISDEを知らないライダーの為に、簡単に説明します。International Six Days Enduro の略で、6日間の日程で行われる世界最大のエンデューロイベントです。僕は2006年のニュージーランド大会から3年連続で出場しています。歴史は長く1913年 イギリスで初めて開催されました。一言で言うと、6日間 道なき道を走るオフロード三昧の日々!
 
 
  ISDEでは最終日のファイナルクロス(モトクロス8周)を除く日の毎日1周150km×1日2周を走りますが、一日の走行距離は例えるなら、僕の住んでいる浜松から東京までをオフロードバイクでしかも全て未舗装の山の中を走りながら移動することになりますが、日本ではなかなか想像がつかないですよね。6日間の走行距離はなんと1300km以上。またまたわかりやすく例えるなら東京から鹿児島までずーっと高速を走るのと同じ距離です。当然のことですが舗装されている道はほとんど無し。走っても1kmくらいなもの。全てがダート路面、林の中、川原、山岳、砂漠、どんなところでも走ります。
 
 
  またパルクフェルメ(車両保管)システムと言って走行時間以外は選手もマシンに触れることが出来ません。整備する時間は朝のスタート前10分、ゴール直前の15分だけです。タイヤは前後毎日交換していました。しかもへとへとに疲れ果てたゴール直前の15分の間に行うんです。朝やればいいと思う方も多いかと思いますが、朝より5分時間の余裕があるというのは非常に大きいのです。かかる時間は前後タイヤでだいたい8分ぐらいです。えっ?速過ぎるって?いやいや、練習すれば出来るようになるのですよ。その少ない時間の中で、タイヤやエアクリーナーなどの消耗パーツの交換やスポークなどの各部のチェックや故障した部分を整備しなければなりません。ISDEは整備のスキルも問われるレースなんです。
 
 
  ギリシャ大会のコースでは標高1600mまで一気に登り、一気に下るコースで温度差もなんと15度で温度差で標高を感じるレースでした。道なき道を走り、たどり着いた山頂の景色は最高!そこで待っているのがタイムチェック2、日本人でも5分〜10分くらい時間を余らせてタイムチェックへ到着するのでマシンへの燃料給油、各部点検が終われば椅子に座りバナナやパワーバーなどで栄養補給をします。ここからはテストを1箇所タイムアタックし1時間かけてパドックのあるセレスサーキットまで戻るルート、下りになるルートは山の斜面だけを見て下るのとは違い景色がいいんです。ルートの中では牧場も通りますが、牛や山羊が放牧されている横を通過する。道なき道を進むこれぞオフロードバイクの楽しみ方です。
 
 
  ISDEのお楽しみ
 
  やっぱり、世界各国のオフロードレース人との出会いです。ISDEへ参戦して3年目、各国のライダーと仲良くなり声を掛けられるようになりました。今回のISDEでは、あるライダー『チリ大会へ出場していたでしょ?』と声を掛けてくれ、僕の顔をみてスタート前の少しの待ち時間で声を掛けてくれる。もちろん仲良くなり6日目のゴール後にはサッカー選手のジャージ交換同様にオフロードライダー達も各国の代表ジャージと交換するんです。僕もチームオーストラリア、チームドイツジャージと交換しました。
 
 
  ISDEを楽しむギャラリー達  
 

どこの国もバイク遊びは日本と同じ!です。ISDEではレースを観戦する人はビッグバイクでツーリング!ルートを走っていると様々な箇所(よくこんな山奥まで入ってきたな?)と思う山奥でも観戦を楽しむ人がいました。彼らはヨーロッパ各地からバイクでツーリングしてきてパドック横のキャンプ場へテントを張って何日も滞在しキャンプ場を拠点とし標高1600mまでのワインディングを走ってはレース観戦を楽しんでいました。レース観戦以外にも温泉や観光地を巡る観戦ルートブック!?まで配布されていたのには驚きでしたけどね。僕もいつかビッグバイクをレンタルし海外を走るのもいいかな、なんて思っています。
 


左は弟のヤスオミです
 
  スケジュール  
 
8月25日 日本からギリシャへ向け出発
8月26日 ドバイ経由にてギリシャへ到着
8月27日 レース会場セレスサーキットにて荷物の確認とマシン受け取り、セットアップ
8月28日 日本チームの受付、マシン慣らし
8月29日 コース下見、日本チーム車検日
8月30日 コース下見、開会式
8月31日 コース下見、休息日
9月1〜6日 6DAYS
9月7日 片付け後アテネへ移動
9月8日  ドバイ経由にて日本帰国
   
 
  DAY 1-2  
  スタートして1つ目にあるクロステストは1日2回、DAY1-5の毎日を走行します。コースはグラストラック+モトクロスコースでタイムアタックをしてタイムチェック1へ移動します。ルートは山を登るルートでタイムチェック前のヒルクライムでは各ライダーが苦労していました。コース幅は十分でラインは選べるが降水量が少ないギリシャでは土埃がひどくて前が見えない中でヒルクライムをしたり、乾きすぎた土でリアタイヤが走りにくさを感じました。
 
 
  タイムチェック2到着し通過するとアチャルビステストがありタイムアタックです。ここでは1回目のテストでリアホイールにコース脇にあるスポンサーバナーが絡まり2分〜3分のタイムロスをして慌てて再スタートしたため埃の中にある岩に気がつかず前転転倒と初日に大きく遅れてしまいました。
 
 
  タイムチェック3の標高1600mまでは一気に上ってしまうルート数箇所の険しい登りがあり、タイムチェック3手前のヒルクライムは難易度が高くタイムチェックへ遅れるライダーが続出しました。
 
 
  タイムチェック3を過ぎると3つ目のテスト、ライラ1です。ここは日本のエンデューロコースと似ていて自分の走りができました。タイムチェック3からパドックまでは監督の情報によると『一番タイム設定が短くルートが長いので注意すること!』と指示を受け、ここでは慎重に走りながらもペースを上げて走行すると共に周りのライダーペースを伺いながら走り8分余りでパドックへ到着。
 
 
  マシンへの燃料給油と少しの休憩をとり2周目へスタート、一度走ったルートで安心感はあるが450台以上も走ったルートは石が浮き上がり、轍(わだち)が奥深く掘れコース状況は全く違ってきます。1周目で難易度の高かったタイムチェック3前のヒルクライムは大きな岩が出て、轍は倍以上に深く、前でスタックしているライダーがいて難しくなっていました。
 
 
  僕もタイムチェック3へ到着したのが時間3分前とギリギリで通過できスタッフへ心配をかけDAY1は無事に日本人全員ゴールしDAY2へ進めます。DAY2はDAY1と同じルートではあるが少し設定タイムが3〜5分ほど短くなります。コースも更に荒れて走りにくくなるがマシン、ルート、レースにも慣れペースが上がるので設定タイムは全く問題ありませんでした。
 
 
  DAY 3-4    
 

DAY3-4も同じくタイムチェック3は同じでルートは全く違う道を走り2つ目のアチャルビステストは無くなりレッドブルテストが新しいテストとなります。牧場を使ったテストでスピード、タイトターンの両方の速さが求められます。

 
 
ここでは4日目に藤田さん、博田さんがそれぞれ転倒し若干の遅れをとってしまいました。藤田さんは腰を強打、博田さんは胸を強打し顎は2針ほど縫う怪我を負ってしましたした。
 
 
  そろそろライダーの疲労がピークに達しているころであり自分自身も走りに集中することに専念しました。テストスタート前には藤原監督が得たテスト情報『右のラインがいいよ!』とかを聞きライラ2のエンデューロテストに臨んだ、教えてくれたラインは何台も走ったので轍(わだち)が深く掘れてしまい雨で路面が柔らかくないのに轍でスタックするほどであった。日本チームは2名の怪我人がでましたが、DAY5も走行可能な状態であり一安心しDAY5へ備えます。  
   
   
     
  DAY 5  
  DAY5は1日だけ走るスペシャルルートが待っていて、今までの06年ニュージーランド大会、07年チリ大会の5日目は簡単なルートでしたがギリシャは違いました。

5日目にDAY1-2で使ったタイムチェック3へのヒルクライムと帰りルートの川が最大の難所となり帰りルートの川はチリ大会で走ったDAY3-4を思い出させます。ただチリと違うのは川に水が流れていて雰囲気が違います。
 
 
  5日目の新しいテストでは2つ目、3つ目が新しく設定され轍も少ないテストを気持ちよく走れISDEを満喫日本チームは全員5日目まで走りきり、残りはDAY6のファイナルクロスのみとなりました。

ISDEでは5日目まで走りきることができれば6日目ファイナルクロスは9周のモトクロス1ヒートだけなので5日目で一安心します。サポートしてくれた日本チームのスタッフ、各タイムチェックのサービスでサポートをしてくれたヤマハギリシャのスタッフと喜び合います。

 
 
     
  DAY 6  
  いよいよファイナルクロス。DAY1-5に使っていたクロステストを使ったファイナルクロス9周、トロフィーチームE1クラス2組目は12時スタート、待ち時間は各国のパドックを見学にいったりサーキットのカフェでリラックスしたり、日本のクラブチームを応援したり過ごしました。E1クラス2組目の順番が近づき出番を待ちます。

スタートはセレスサーキットということもありレーシングコースのグリッドへ順番につきシグナルでスタート、1コーナーへスーパーモタードみたいにスロットル全開で入ります。
 
 
  1コーナーへは20位くらいで入り抜きつ抜かれのバトルをべネゼエラの選手としましたが最終的には負けてしましました。いつもエンデューロテストで勝っていたのに残念でした。

モトクロスのスピードは日本国内のIA選手と同じくらいのスピードが要求されジャンプも全日本MX以上の大きさで彼らはそこをエンデューロマシンで走る技術があるからこそ世界で通用しているのだと感じました。日本人はルートをオンタイムで走れる技量、スピードと難しい移動区間を走破できるトライアルテクニックと各テストでタイムが出せるようなIAライダーのスピードが必要だと感じました。
 
 
     
  ISDEへの思い
 
  よく聞かれることがあります。「なぜ、ISDEに出場するの?」それは自分のレベルが世界でどこの位置にあるのか確認するために参戦しているのもありますが、もともと1周の短いコースをグルグル周回することが苦手で、景色がずっと変化する長距離を走るのが好きな僕はずっと海外レースへ憧れをもっていました。

初めて海外レースへ参戦したのは19歳の時にタイで開催されたアジア3daysエンデューロ、2000年にはラリーレイドモンゴルへ参戦、これらのレースはISDE出場へのよい経験になったと思います。2000年から少し期間が開いてしまいましたが、2006年には日本代表にも選抜されニュージーランド大会へ参戦することができ2007チリ大会、2008ギリシャ大会と3年連続で出場することができました。

ISDEは毎年開催国が変わるので国によって走るロケーションが違うことが楽しいですね。また世界のトップライダーの走りが間近で見れるのも楽しみに1つです。これは日本のエンデューロライダーの皆さんの募金やスポンサーさんのサポートなど皆さんの協力があって実現できました。

この場を借りて、みなさんご協力ありがとうございました。

チームジャパン #120 内山 裕太郎
 


  内山 裕太郎/1978年12月22日生 静岡県浜松市出身
所属/チームプレスト、マシーン/YAMAHA '08WR250F
主な戦歴
2007年/ISDEチリ大会 シルバーメダル
2006年/ISDEニュージーランド大会 シルバーメダル
2005年/SERIES戦 シリーズランキング3位
2004年/SERIES戦 シリーズチャンピオン
オフィシャルブログサイト
http://yutaro-uchiyama.cocolog-nifty.com/
 

 
 
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