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ガエルネ訪問レポート 【ガエルネ本社篇】

UPDATE : 2020.01.24

イタリア、革製品、職人技、高品質、そしてモータサイクル、「ガエルネ」という、
ちょっと変わった名前のブーツメーカー。わかっているようで、よくわからないキーワードたち。
そのガエルネ本社&ファクトリーを訪問レポートします。

Ciao!! a tutti!!
ガエルネ本社を訪ねたときの様子をレポートします。
そもそも、ガエルネという会社が、どんな会社なのか、そこら辺が疑問の方もいるかもしれません。だいたい「ガエルネ」なんて言葉は、およそ日本語の響きには無い、ちょっと変わった言葉でしょ。そんなガエルネを語るのには、ちょっと面倒でもその歴史について、知っておいて損はないですよね。

だいたいイタリア人というのは、何かにつけて、すぐに”歴史”を語りたがるのですよ。どの街に行っても、中世の佇まいを未だに、伝統としてかたくなに守っているイタリア人。食事も習慣も含め、彼らはなによりもまず、イタリア人であること、そしてその街の人間であることをアイデンティティーの第一項目にあげる人々。そのかたくなさと、歴史という背景があってこそ、ガエルネのライディングシューズは世界に名だたるものになりうるのです。


現代のガエルネ本社&ファクトリー

 

創業は1962年

ガエルネの名前でブランド(会社)が起こされたのは、実は以外と最近のことです。創業200年とか、そんな感じもするのですが、実際はまだ60年ほど前のこと。創業社長のエルネスト・ガッゾーラの名前にちなんでネーミングされました。ガッゾーラの「ガ」とエルネストの「エルネ」で「ガエルネ」というわけです。ちょっとしゃれているでしょ。ガエルネのある北イタリア、トレビーゾという静かな地域は、第二次世界大戦の時に、イタリア軍の軍靴を作るために、イタリア中から靴職人やブーツ職人が集められました。戦後、そういった靴職人たちが、復興の中、自らの工房を開き、それはやがて少しずつ大きくなり、会社となり、製品を世界に送り出すまでになっていきました。

ガエルネの歴史も、そういった職人たちによって始められました。職人達は、様々な種類の靴やブーツを作りました。その多くは、軍靴の耐久性や、堅牢製を生かし、登山靴やワークブーツとなっていきます。スカルパ、アゾロ、ドロミテ・・・山登りをする方にはおなじみですね。ガエルネも実はこういった登山靴やウォーキングシューズも作っているのですが、やはりエポックとなったのは、今でもメインの商品であるオフロードブーツの生産です。その最初のきっかけになったのが、エルネストの長男ジュリアーノのために、個人的につくったモトクロス用のブーツだったそうです。その品質が多くのプロフェッショナルライダーにも高い評価を得たことから、ガエルネは本格的なライディングブーツの生産に入りました。単に快適さや、軽快さを求めるのではなく、質実剛健なプロフェッショナルな人々への製品をつくる。自らの技術を信じ、その価値を知る人々により、何度も研究開発を繰り返し、ライディングブーツという、フットウェアの中でも、高度な技術が必要とされる逸品が、今もなお生み出されているのです。


創業当時のガエルネ。貴重な資料です。

いまでも、牧草地や田園が広がるのどかなこのエリアには、ガエルネ同様、そのラインナップをモーターサイクルに拡げていった、いくつものブランドが存在します。それらはアルパインスター、アクソー、ディアドラ・・・みな、同じ歴史と土地の元に生まれたのです。

 

MASER(マゼール)

トレビーゾ郊外ののどかな地域、MASER(マゼール)ここにガエルネはあります。広く見渡せる田園風景の中、ガエルネの本社&ファクトリーはありました。イタリアンデザインらしいシンプルでモダンな建物です。別の見方をすれば、本当にここで全てのガエルネ製品が作られ、世界に送り出されているのだろうか、と思うほど、シンプル(小さな?)な佇まいです。日本人が考える「工場」とはおよそほど遠い、その姿は、実に穏やかで、それ故に工業製品とは一線を画した、イタリアの革製品に対する職人気質のセンスと底力を感じさせられます。


小高い山に囲まれた北イタリアのカンパーニャ(田舎)。
こののどかさと、豊かさが、ガエルネの本質を語っています。

清潔感あふれるエントランスから、我々一行がまず通されたのは、地下のプレゼンテーションルームです。ここには現在のガエルネラインナップが全て陳列され、さらに今までのガエルネのサポートライダー達の記念すべきブーツも展示されています。まず、訪問者はこの展示品に目を奪われます。

オフロードでは、ガエルネの名を世界に知らしめたミッコラの伝説?のブーツを始め、ズメッツ、ラロッコ、オンロードではW・ガードナーをはじめ、G・マッコイやS・ジベルナウらのサイン入りのブーツが並びます。どれも、その戦いの激しさを物語るように、擦り傷や、使い込まれた痕跡が輝いています。


ずらっと並んだ、サポートライダー達の伝説のブーツ。

ここで、ミラノショーでもお会いしたスタッフと共に、エルネスト・ガッゾーラその人にもご対面です。イタリア人にありがちな、あっけらかんとした陽気さとは正反対な、いかにも職人ぽい寡黙な頑固親父風でした。でも私が、片隅においてある古いブーツの箱に興味をしますと、うれしそうに箱を開けながら、「これは、ガエルネのファースト・オフロードブーツだ」といって見せてくれました。”ビクトリー”と名付けられたそのブーツは、現在のプラスチックパーツによるプロテクションなどを持たない、いかにも職人の手による渋いブーツでした。そして私が頼むと、得意そうにそのブーツを持ってポーズを決めてくれるあたり、やっぱりこの人もお茶目なイタリア人でした。


(左)左はズメッツ、右はあのミッコラのブーツ。
(右)これがガエルネファーストモデル、その名もビクトリー。

さて次回は、ガエルネファクトリー訪問です。

関連記事:ガエルネ訪問レポート 【ファクトリー篇】

※こちらの記事は、2003年に “JAPEX CAFE” に掲載された記事を元に作成しています。